墓じまい3つのトラブル事例-石材店の元営業マンが解説-

今回の記事では、10年間石材店で勤務していた私が、墓じまいを通してお客様から聞いた実際のトラブル事例を紹介しますね。

墓じまいとは「既存のお墓を処分、墓地を返還したのち、遺骨(いこつ)を新しい場所に移す」一連の行動をいいます。

時代の変化とともに、墓じまいをされる人がどんどん増加していますよ。

きっとこの記事をご覧になっているあなたも、墓じまいを検討しているのではないでしょうか。

墓じまいを実施しようとインターネットで検索されると「墓じまい トラブル」というキーワードを目にするかも知れませんね。

実際のところ墓じまいがきっかけで、「お寺、親族、石材店」と揉めてしまうケースがあります。

今回の「墓じまいトラブル事例」を反面教師にしてもらい、あなたが墓じまいをおこなうときは、トラブルが起きないよう準備を進めてください。

石太郎

この記事が皆さんの墓じまいのお役に立てば嬉しいです。

目次

墓じまいとは

墓じまいとは「既存のお墓を処分、墓地を返還したのち、遺骨(いこつ)を新しい場所に移す」一連の行動をいいます。

墓じまいと聞くと、お墓を処分したらいいんだ。お墓を片付けるだけでいいと考える人がいますが、お墓を処分するだけではありません。

下記1~3の一連の流れを墓じまいと言います。

  1. 既存のお墓を撤去処分
  2. 墓地を管理者に返還
  3. 遺骨を新しい場所に移す

メディアの影響により、終活の一貫として簡単に「自分たちの代で終わらす」と考え、ご先祖様や大切な人が眠るお墓の墓じまいを、気軽に実施する人が増えました。

現在では、墓じまいの増加とともにトラブルが生じることも増えています。

石子

墓じまいの意味はこちらの記事で解説していますよ

墓じまいを考える理由

少子高齢化、結婚をしない人、おひとりさまで過ごす人が増えて来た現在ではお墓の継承者不在といった問題を生み出しています。

その他にも、高齢になると遠方への移動が難しくなり、田舎のお墓を守ることができないなどの理由があります。

墓じまいを考える理由

継承者がいない:独身、子どもがいない、継承者が途絶えてしまった

お墓が遠方にある:仕事の都合で故郷を離れてしまった

高齢になり外出ができない:老人ホームへの入居、入院生活などの事情により、自分の足でお墓に行けない


墓じまいをする前にお墓の現状を知りたい、最後にお墓を綺麗にしたいと考えている人は、ぜひ一度、お墓参り代行へご相談ください。

墓じまいトラブル事例

具体的にどんな墓じまいトラブルがあるのか、3つ「お寺、親族、石材店」事例を紹介していきますね。

1.菩提寺との離檀料トラブル

高齢になり、田舎のお寺の境内にあるお墓を墓じまいして、大阪のお寺で永代供養を検討している。
事前に墓じまいの相談を住職にしたところ、高額(300万円近く)な離檀料を請求されてしまった。

離檀料とは:離檀するときに支払う費用のこと
離檀とは:菩提寺の檀家を辞めること

高額な離檀料が発生する理由のひとつにお寺の経営難が関係します。

これまでお寺の経営は、檀家の御布施・寄付金などが収入源でした。

しかし、昨今の仏教離れの影響で、檀家制度が崩壊しつつあり、お寺の経営が厳しい状況にあります。

そこで、離檀(檀家をやめる)するなら、最後に高額な離檀料を請求しようと考えるお寺が出てくるようになりました。

檀家になるとき「離檀料を◯◯万円支払う」と契約書を交わしていない限り、支払いの義務はありませんよ。

本来の離檀料は、今までお世話になったお寺へ感謝の気持ちを込めて包むお金です。

あくまでも皆さんのお気持ちなので、お寺から「いくら支払え」と請求するべきものではありません。

離檀料の相場は、お布施の2~3倍と言われ、高くても30万円ほどです。

もし高額な離檀料を請求されてしまったら、一度自宅に持ち帰り家族に相談しましょう。

そして、金銭的な余裕がなく、支払えない旨をお寺の住職に伝えましょう。

もしも、自分たちで解決ができないようであれば、弁護士など法律の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

実際に僕のお客さんのなかにも、弁護士の方に依頼しお寺と話をつけ、離檀料を回避できた人もいますよ。

2.親族間のトラブル

お墓は心の拠り所といいますが、それぞれにとって故人に対する考え方は異なります。

そのため、墓じまいを検討しているお墓に関係する親族に一切相談せず墓じまいを行うのは避けましょう。

墓じまい後、お参りに行った親族から「お墓が無くなっている、なんてことをしたんだ!」とトラブルになる場合があります。

墓じまいの相談や連絡をする親族の範囲を悩まれる人が多いですね。

後々のトラブルを考えると、付き合いの薄い親族でも一本連絡を入れるようしておきましょう。

3.石材店との墓じまいトラブル

石材店との間で起こりやすい墓じまいトラブルは下記のような内容が多くあります。

僕が墓じまいを担当した訳ではなく、墓じまい後にお会いした人から感想を聞いたものになります。

  • 相場よりも高い墓じまい費用を請求された
  • 指定石材店があり相見積もりをできなかった
  • 途中で工事が終わった

相場よりも高い墓じまい費用を請求された

墓じまいは近隣の石材店や墓じまい専門店に依頼して実施します。その際、思わぬトラブルに合わないよう気をつけてください。

まず、一番多いのが、墓じまい後に相場よりも高すぎる費用だったことが判明し「相見積もりをすればよかった」と後悔されるケース。

墓じまいの費用は、お墓の大きさや環境により左右されるため、一概に高いですねと言い切ることは難しいです。

しかし、どうしても最安値で墓じまいをしたい人は、インターネットで墓じまい専門店に依頼するといいですよ。

指定石材店があり相見積もりをできなかった

寺院墓地や村墓地では、指定石材店制度があり自由に業者を選ぶことが出来ません。

指定石材店制度がある理由は主に3つ。

  1. 墓地の開発で、石材店が出資している
  2. 他の業者により墓地が荒らされることを懸念
  3. 石材店とのマージン契約(紹介料が発生)

指定石材店制度はあるが、どうしても他の業者を利用したい場合、墓地管理者や住職に一度相談してみましょう。

途中で工事が終わった

墓じまいの場合、墓地によっては更地での返却が義務になっている場所もあります。

墓じまい後の墓地返却については、必ず墓地管理者に確認を取りましょう。

  • 巻石を残してもいいのか?
  • 更地返却?
  • 土の入れ替えは必要か?
  • コンクリート左官、仕上げか?

更地返却の場合、墓石を処分するだけでなく、巻石(区画を仕切る石)も処分したり、土の入れ替えまでします。

しかし、適当な業者に依頼すると、墓石を処分しただけで工事完了にされてしまい、更地の状態にならず、別の業者に再度工事のお願いをすることになる可能性があります。

石材店とのトラブルを避けるために、口頭でのやり取りではなく、しっかり書面でどこまで工事をするのか残すようにしておきましょう。

悪徳業者は書面で詳細な見積もりや資料を残すことを嫌がります。

もしも、詳細な工事内容を教えてくれない場合、その業者を利用することは辞めるべきです。

まとめ

今回の記事では「墓じまい3つのトラブル」を解説しました。

墓じまいトラブルの多くは信頼関係です。

普段から、お寺や親族とコミュニケーションがどれだけとれているか、信頼できる業者に出会えるか。

ご先祖様を納めた大切なお墓ですから、墓じまいは、トラブルなく円滑に進めたいもの。

しかし、自分だけで墓じまいの段取りを行うのは難しいと感じる人は、墓じまいのプロに相談してみてはいかがですか?

墓住職

皆さんの信頼関係のもとで墓じまいは進んでいきますよ。

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