【墓じまいの方法】6つのステップで流れをわかりやすく解説

この記事では墓じまいの仕方を石材店の元営業マンが解説します。墓じまいを考えたとき、まずは知りたい墓じまいの大まかな流れを書きました。

墓じまいとは「既存のお墓を処分、墓地を返還したのち、遺骨(いこつ)を新しい場所に移す」一連の行動をいいます。

最近「墓じまい」という言葉をテレビや新聞などのメディアを通じて、目にする機会が増えています。
きっとこの記事を読んでくれている方も、どこかで墓じまいという言葉を聞き、検索して記事を読んでくれていますよね。

読むとわかること

墓じまいの手順

墓じまいを実施したい方に向けて書きましたよ。墓じまいの流れがざっくりと分かれば嬉しいです。

石太郎

10年間お墓づくりの現場で働いた経験をもとにわかりやすく説明します

目次

墓じまいとは

墓じまいとは「既存のお墓を処分、墓地を返還したのち、遺骨(いこつ)を新しい場所に移す」一連の行動をいいます。

墓じまいと聞くと、お墓を処分したらいいんだ。お墓を片付けるだけでいいと考える人がいますが、お墓を処分するだけではありません。

  1. 既存のお墓を撤去処分
  2. 墓地を管理者に返還
  3. 遺骨を新しい場所に移す

1~3の一連の流れを「墓じまい」と言います。

石材店で働いていた頃、遺骨を新しい場所に移すことを考えず、問い合わせへ来られる方がいらっしゃいました。

お客さんのなかには遺骨は破棄して欲しい、手続きが面倒だから受け取りたくないと言う声もちらほら。

事情があり墓じまいを行うこと自体は否定しませんが、せめて遺骨の行き先は考えてほしいなと思いましたね。

終活の一貫としてメディアの影響により、簡単に「自分たちの代で終わらす」と考え、ご先祖様や大切な人が眠るお墓の墓じまいを、気軽に実施する人が増えました。

墓じまいの増加とともに、親族間などでトラブルが生じることも増えています。

墓じまいの流れ「6つのステップ」

墓じまいの流れを大まかに6つのステップに分けました。各ステップごとにもっと細かいステップもあります。
まずはざっくりでいいので、墓じまいがどんな手順で進んでいくかをイメージしておきましょう。

墓じまいの流れを知ることであなたが何を準備しておくか、墓じまいのトラブルを未然に防ぐことができますね。

STEP
親族・関係者(墓地管理者、お寺)の同意を得る

お墓参りをしている親族・墓地管理者・お寺に墓じまいをすることを相談

STEP
遺骨の供養先を決める

お墓を撤去した後、遺骨をどこに持っていくのか考えておく

STEP
墓じまいの依頼業者を決める

墓じまいの施工をどこに依頼するか決める

STEP
墓じまいの書類手続き

改葬許可の申請準備を進める

STEP
お墓の撤去工事

閉眼供養をした後にお墓の撤去工事を行う

STEP
遺骨の受け取り・新しい埋葬先に納骨

依頼業者から遺骨を受け取り新しい埋葬先に持っていく

以上が墓じまいの流れになるます。

ここからは、墓じまいに必要な6つのステップをより細かく解説していきます。

1.親族・関係者(墓地管理者、お寺)の同意を得る

お墓参りをしている親族・墓地管理者・お寺に墓じまいをすることを相談しましょう。

墓じまいを進める時は必ず関係者に相談をして、納得・理解を得る必要があります。 

お墓の継承・管理をしているのは自分だからと、親族・縁者に知らせずに処分を行うとトラブルに発展する可能性も考えられます。

親族の同意を得る

墓じまいの手続きを進めるとき、最初にするべきことは親族の同意を得ること。

墓じまいのトラブルで一番多いのが親族間のトラブルと言われています。
トラブルを回避するためにも、まずは親族へ墓じまいの相談をしましょう。

あなたはお墓を不要と考えていても、親族の中には「お墓は代々守るもの」という昔ながらの考え方を持つ人がいるかも知れません。
勝手に墓じまいをして、「なんでお墓を処分したんだ」と揉めることがないように説得しておきましょう。

また親族でなくても、頻繁にお墓参りをしてくれている故人の友人などがいる場合、一声かけておくと親切ですね。

墓地管理者・お寺に伝える

お墓がある墓地の管理者・お寺にも事前に墓じまいの考えを伝えておきましょう。

墓地によっては、お墓を撤去した土地の返却手続きなどが必要なケースがあります。

墓じまいをおこなうと、お寺の檀家を辞めたり付き合いのあるお寺と疎遠になるので、必ず事情をお寺に連絡すること。

一部ですが事情の説明が不十分で、法外な金額の離檀料を請求されてしまったなどのトラブル例があります。

墓住職

管理者へお礼の声かけを忘れずに

2.遺骨の新しい供養先を決める

お墓を撤去した後、お墓の中にある遺骨をどこに持っていくのか考えておきましょう。

墓じまいはお墓を撤去するだけではなく、必ずお墓の中にある遺骨の行き先を決めておく必要があります。

多種多様な供養のかたち

現在では多種多様な供養のかたちがありますよ。原則、一度預けた遺骨を取り出すこちはできないので、後悔しない供養先を考えましょう。

永代供養墓

お寺や霊園が遺骨を預かり、親族に代わり永続的に管理・供養することを永代供養といいます。
全ての管理を任せられるので、あなたが最後の継承者で身寄りのいない方におすすめの納骨方法。

納骨堂

遺骨を収蔵する屋内型施設のことを納骨堂といいます。駅直結など利便性の良い場所に建てられている場合が多く、通いやすさが魅力。以前までは、納骨堂=一時的な遺骨の預け場所とされていましたが、現在では永続的に預けられる場所が増えています。

手元供養

遺骨を少しだけ手元に残し、故人を偲ぶ方法を手元供養といいます。
永代供養や散骨など遺骨が残らない納骨方法と重ねて行うことが多い。アクセサリーなどの装飾品へ加工して身に付けることも可能。

樹木葬

樹木の周りに遺骨を納める方法。お寺や霊園内にある場合が多く、整備された環境の中で自然に囲まれながらの埋葬が特徴。

海洋散骨

遺骨をパウダー状に砕いて海にまく方法。宗教やしきたりにとらわれたくない、海に思い出がある、自然志向の人におすすめ。

石子

遺骨の行き先に悩んだら、焦らず考えましょう!

3.墓じまいの依頼業者を決める

墓じまいを依頼する業者を決めましょう。寺院墓地や民間霊園の場合は石材店が指定されていることが多いので事前に確認。

墓じまい代行サービス

指定の石材店などがない場合は墓じまい代行サービスを利用すると非常に便利です。時間がない人でも安心。

墓じまいの工事だけでなく、付随する手続きも一式お願いすることができます。

  • 遺骨の行き先を探す
  • 管理者への連絡
  • 行政手続き
石太郎

墓じまいのプロに相談!

4.墓じまいの書類手続き

親族の同意、新しい供養先が決まったら、本格的な墓じまいの手続きに移りましょう。

書類ごとに提出先や取得場所が異なります。墓じまいの手続きで出てくる書類は4つ。

1.改葬許可証:墓じまい(改装)の許可証。②改葬許可申請書③埋葬証明書④受け入れ証明書を提出すると発行されます。

2.改葬許可申請書:改葬許可証を取得するための申請書。墓じまい予定のお墓がある場所(市区町村役所)の窓口で取得。改葬許可申請書は市区町村により違うため、墓じまい予定のお墓がある場所で確認しましょう。

3,埋葬証明書:お墓の中に納骨されている遺骨が誰の骨か証明する書類で。現在のお墓がある墓地管理者に発行してもらいます。埋葬証明書は市区町村により違うため、墓じまい予定のお墓がある場所で確認しましょう。

4.受け入れ証明書:新しい預け先の管理者が発行する書類。受け入れ証明書を発行してくださいと頼めば大丈夫です。発行手数料がいることも。

注意:原則、改葬許可証がないと遺骨を動かすことはできません。

墓住職

書類の詳細は別記事で解説します。まずは4つ書類があることを知ってください。

5.お墓の撤去工事

親族・管理者の同意、改葬許可の申請など事前準備が終わりましたら、いよいよお墓の撤去工事を石材店にお願いしましょう。

墓じまいの手順は、閉眼法要を行い、お墓を撤去、お墓から遺骨を取り出すという流れです。

詳細は墓じまいを依頼した石材店に聞いておきましょう。

閉眼供養を忘れずに

お墓を撤去する前に必ずお寺の住職に閉眼供養(へいげんくよう)をしてもらいましょう。

お墓には、仏様やご先祖様の魂が宿っています。撤去をする前に閉眼供養を行うことで、お墓から魂を抜き、ただの石へ戻します。

お坊さん便

閉眼供養を依頼できる付き合いがない人もご安心ください。お坊さん便というサービスがありますよ。

6.遺骨の受け取り・新しい埋葬先に納骨

お墓の撤去工事が完了したら、石材店から遺骨を受けとって新しい供養先に遺骨を納めましょう。納骨のときは改葬許可証を忘れずに。

まとめ

墓じまいは6つのステップに分かれています。墓じまいがどんな手順で進んでいくかをイメージしておきましょう。

墓じまいの流れを知ることで、あなたが何を準備しておけばいいのか、墓じまいのトラブルを未然に防ぐことができますよ。

石太郎

墓じまいの前にお墓参り代行を利用したい方はお気軽にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次