墓じまいの費用は誰が負担する?支払えない場合は?

墓じまい:既存のお墓を撤去し借りていた墓地を返還した後、遺骨を新しい場所に移すこと

この記事で解決できる疑問

・墓じまいを親族で検討しているが、費用は誰が負担するの?

・墓じまいせず、お墓を放置しても大丈夫?

・無縁仏になる予定だけど、遺骨だけ取り出してもいいの?

石太郎

上記の疑問を解決できる記事を書きました。

10年間石材店に勤めていると、

「正直、墓じまい費用は払いたくない。誰が負担するの?」
「墓じまいはしないけど、遺骨だけ別の場所に移動させたい」

という相談をもらうことがありました。

例えば、具体的な事例を紹介します。

お墓の管理を祖父母の代からしているが、実際のところお墓の中に眠っている人(お墓に納められた遺骨)とは関係性が薄い。

自分の子どもの代になると、もっと血筋が遠くなりほとんど関係のないお墓になってしまう。

しかし、自分たちで墓じまいの費用を負担したくない

縁もゆかりもないお墓を子どもに残したくないと考え、お墓を放置しておく「無縁仏」にするといったご相談者様もいました。

上記のような事例は、実際に沢山の墓地で「いま起きている課題」です。

お墓にまつわる費用の負担。

墓じまいのためにお金を置いている人はごく少数、ほとんどの人たちは、墓じまい=急な出費

出来ることなら「お金を別のことに使いたい」と考える人が多いのではないでしょうか。

墓じまいにまつわるケースバイケースで正解のない疑問を、出来る限り具体的に解説しました。

目次

お墓の継承者が「墓じまい費用」を負担

基本的にはお墓の継承者が墓じまい費用を負担したり、手続きの中心となり動くケースがほとんど。

なぜなら、墓じまいを実施するとき、お墓の名義人の署名や印鑑が必要になるためです。

お墓の名義人と異なる人が手続きを行う場合は、委任状を準備する手間が増えてしまいます。

高齢の両親に変わって、代理で息子さんが手続きを済ませるときも、委任状や本人確認書類が必要で、厳しい場所は関係性を証明できる書類の提出まで求められますよ。

民法の祭祀承継者

お墓は祭祀財産と言い、「祭祀承継者」が相続します。

祭祀財産は、「お墓・仏壇など先祖を祀るための財産」で、分割することができないため、継承者は1人となります。

祭祀財産に相続税はかかりません。

第897条 祭祀に関する権利の承継
1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2.前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

民法897条

祭祀財産を継承すると、お墓や遺骨に関する決め事をする権利を持つことが可能。

その一方で、お墓を維持する管理料の支払いなど、先祖を祀る義務も発生。

そのため、墓じまい費用を継承者が支払うケースが多い傾向にあります。

家や土地の不動産、預貯金などは相続財産と言い、それぞれを分割して相続します

親戚・兄弟で支払いを負担

継承者がお墓の決定権を持つといえ、お墓は先祖代々、みんなで守っていくもの。

面倒なことを1人に任せるのではなく、親戚や兄弟で墓じまい費用を分けて支払う人もいました。

親戚・兄弟の集まる年末年始などに墓じまいの相談をして置き、後日、見積書の金額を配分し合う方法がスムーズでいいですね。

石子

こちらの記事でオススメの墓じまい代行業者を紹介しています!

無縁仏にすると法的措置はあるの?

「墓じまい費用を絶対に払いたくないから無縁仏にします」と言うケース。

意図的に無縁仏にすることは法律違反でしょうか?なにか罪に問われますか?

罪に問われることはありません

まず、無縁仏とは、管理する人が誰もおらず消息の途絶えたお墓のこと。

無縁仏になると、管理料の支払いがない誰もお参りをしない状況のため、お墓がどんどん荒れ果てててしまいます。

実際のところゴミの不法投棄のように、何か法律で取り締まれることはなく、お墓と繋がりのある皆さんの気持ち次第です。

無縁仏はどうなるの?

無縁仏になったお墓は2つのパターンに分かれますよ。

  1. いつまでも無縁仏のまま放置
  2. 一定期間後、墓地の責任者・墓地管理組合・寺院・土地の所有者が処分

墓地の責任者がいない場合は、半永久的に墓地がある土地そのものが無くなるまで、無縁仏として放置されます。

遺骨だけ自分たちで取り出してもいいの?

お墓は無縁仏として置いておくけど、遺骨だけ自分たちで取り出してもいいの?

はい、取り出すことは可能です。

墓じまいの費用が準備出来ず無縁仏になってしまうが、先祖の遺骨だけは別の場所に移動することはできますよ。

一般的な方法は、お寺の住職を呼んでから下記手順で進めていきます。

STEP
魂抜き・閉眼供養(お寺の住職の読経)
STEP
お墓の撤去工事
STEP
遺骨の取り出し

しかし、皆さんが魂抜き・閉眼供養などの仏教的な行事を気にしない場合は、ご自身で遺骨を取り出しても問題ありません。

墓住職

最後は気持ちの問題になりますよ

まとめ

墓じまい費用の負担、無縁仏の課題について解説しました。
今回の記事が皆さんのお役に立てば嬉しいです。

  1. 墓じまい費用は継承者が支払うことが多い
  2. 親戚・家族で負担を分けられるとベスト
  3. 無縁仏になっても法的措置はない
  4. 遺骨だけの取り出しは可能
石太郎

こちらの記事では、墓じまいの方法を詳しく説明しているのでご覧ください!

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