【墓じまい】お墓を処分。墓石はどこへいくのか

墓じまいとは「既存のお墓を処分、墓地を返還したのち、遺骨(いこつ)を新しい場所に移す」一連の行動をいいます。

石太郎

私は10年間石材店で働くなかで100回以上墓じまいを担当しました。

「墓じまい後の遺骨をどうしたらいいのか?」と質問されることがほとんどですが、

そのなかには自分たちの墓石はどこへ持っていかれるのか気になる人もいましたよ。

今回は豆知識「墓じまい後の墓石はどこへいくのか?」を説明します。

墓じまいと聞くと、お墓を処分したらいいんだ。お墓を片付けるだけでいいと考える人がいますが、お墓を処分するだけではありません。

  1. 既存のお墓を撤去処分
  2. 墓地を管理者に返還
  3. 遺骨を新しい場所に移す

一連の流れを「墓じまい」と言います。

墓住職

墓じまいを詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

目次

墓石は簡単に破棄できない

墓じまいを実施する前に必ず魂抜き(住職の読経)があります。

魂抜きをすることでお墓が「ただの石」になります。

建築工事で発生する一般的な石材と同じく産業廃棄物の対象になりリサイクル処分されます。

しかし、墓じまいのために魂抜きをしたからといって、産業廃棄物としてどこでも受け入れてくれる訳ではありません。

墓石には名前が刻まれていますし宗教物の象徴とも言え、産業廃棄物の許可業者によってはお断りされるケースも存在します。

墓石の不法投棄問題

正規手順を踏まず工事現場に墓石を捨てたとして逮捕されたケース。

墓石の廃棄方法

墓石の形をとどめたまま、護岸工事の資材に利用してしまうトラブルが発生。

不法投棄にはあたらないそうですが、ご先祖様の名前がむき出しでさらされるといい気はしないですね。

基本的には戒名や本名が見えないよう粉砕するのが一般的です。

墓石の多くは産業廃棄物

墓石は産業廃棄物として廃棄。

まず、墓石を産業廃棄物を処分する場合、墓石をある程度の大きさに粉砕。

その後、産業廃棄物収集運搬業の許可業者に渡し、業者から廃棄物管理票(マニフェスト)を発行してもらう流れです。

墓石は建築資材で利用する石材と比較して、非常に質の高い石材です。

硬度が高く大きさもあるため、下層路盤材(道路工事でアスファルトを敷く材料)や砕石としてリサイクルされます。

廃棄物管理票(マニフェスト)発行

廃棄物管理票(マニフェスト)とは石材を処分依頼したとき受け取る証明書。

廃棄物管理票(マニフェスト)があることで、廃棄物が不法投棄されていない証明になり、受け取ったら5年間保管する必要があります。マニフェスト発行を怠った業者には罰則が適用されますよ。

まとめ

墓石は産業廃棄物として扱われ建築資材に生まれ変わり再利用されます。

墓じまいをあまりにも安い価格で宣伝している業者は、適切な処分を行わず費用を抑えているかも知れません。

石子

墓じまいを依頼する業者に引っかかる点があれば、墓石の処分はどうなるのか聞いてみるといいですよ。

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